「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」©2021 Universal Studios and Storyteller Distribution LCC. All Rights Reserved.

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2022.7.30

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

「ジュラシック・パーク」の公開から29年、シリーズはこの6作目で終幕を迎える。恐竜が世界中に解き放たれて4年、恐竜の保護に尽力するオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、共に暮らす14歳のメイジー(イザベラ・サーモン)らが密猟者にさらわれ、救出へ向かう。一方、米国では不可解なイナゴの大量発生が起きていた。

街中を走り回る恐竜の存在には正直、ぎょっとする。人類の身近にやってきた彼らは地球の支配権を争う敵なのか、共存しうる存在なのか。恐竜をウイルスなど別の何かに置き換えて考えると、恐竜と向き合う登場人物と私たちの姿が重なるように感じた。

「パーク」時代からのファンはサトラーやグラント博士の活躍に胸が熱くなるはず。コリン・トレボロウ監督が「パーク」と「ワールド」の世界を見事に融合させた。初登場の恐竜やT-レックスの戦闘シーンなど、迫力の映像を堪能してほしい。2時間26分。東京・TOHOシネマズ日本橋、大阪ステーションシティシネマほか。(倉)

異論あり

前作までのコスタリカ沖の島から、今回の舞台は欧米各地にスケールアップ。冒険アクションの見せ場も山盛りだが、いささか展開が慌ただしく、エピソードが詰め込みすぎの感も。約30年に及ぶシリーズのファンには、新旧キャストの合流が感慨深くて胸が熱くなる。(諭)