「コット、はじまりの夏」©Inscéal 2022

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2024.7.06

「うわ! なんだこれ!」遭遇の喜び 髙橋佑弥

2024年も半分が過ぎ、映画館で配信で、たくさんの作品が公開されています。1年の折り返し点でちょっと立ち止まって、今年の秀作、話題作をおさらいしてみませんか。ひとシネマ執筆陣が、上半期の作品からお勧めの5本を選びました。

髙橋佑弥

髙橋佑弥

「コット、はじまりの夏」
「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」
「FLY!/フライ!」
「ラジオ下神白 あのとき あのまちの音楽から いまここへ」
「恋するプリテンダー」
 

思いつき、気まぐれの効用

並びは公開日順。監督が好みだとかスタッフが気になるだとか俳優を応援しているだとか、要は見る前からある程度「これは好みであろう」と見込んで見にゆく映画もある(そして予想が当たったり外れたりする)わけだけれども、逆に、ふと思いたって、時間が合うとか予告が悪くなさそうだったとか仕事帰りに何かしら軽く1本とかいった理由で、気まぐれに見ることを決めた映画に思いがけず胸打たれることもある。上の5本のなかで、「ラジオ下神白」をのぞいた4本がそれだった。

じっさいはなかなかそうもいかないけれども、映画は予想通りの面白具合を確認しに行っているわけではないのだから、うわ! なんだこれ面白いじゃん!という驚きに勝るうれしい瞬間はないなと、改めて思い直した。

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ライター
髙橋佑弥

髙橋佑弥

たかはし・ゆうや 1997年生。映画文筆。「SFマガジン」「映画秘宝」(および「別冊映画秘宝」)「キネマ旬報」などに寄稿。ときどき映画本書評も。「ザ・シネマメンバーズ」webサイトにて「映画の思考徘徊」連載中。共著「『百合映画』完全ガイド」(星海社新書)。嫌いなものは逆張り。

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