「アリスとテレスのまぼろし工場」ポスター ©新見伏製鐵保存会

「アリスとテレスのまぼろし工場」ポスター ©新見伏製鐵保存会

2023.7.26

少年少女たちに寄り添うように響き渡る、中島みゆきの歌声!「アリスとテレスのまぼろし工場」本予告映像が解禁

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ひとしねま

ひとシネマ編集部

9月15日(金)公開岡田麿里監督最新作「アリスとテレスのまぼろし工場」(毎日新聞社など製作委員会)の本予告映像が解禁されました。


突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町が舞台。いつか元に戻れるようにと、何も 変えてはいけないルールができ、鬱屈とした日々を過ごしていました。そんな中、14歳の主人公・正宗は、気になる存在の謎めいた 同級生・睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れます。そこにいたのは言葉を話せない、野生の狼のような少女・五実 。二人の少女とのこの出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった・・・・・・という岡田によるオリジナルストーリー。変化を禁じら れた世界で、止められない〝恋する衝動〟を武器に、未来へともがく少年少女の物語です。
 「まだ、14歳に閉じ込められている。」少年少女たち。 彼らに寄り添うように響き渡る、中島みゆきの歌声。 「未来へ 未来へ 未来へ 君だけで行(ゆ)け」。圧倒的な映像と楽曲が心に刺さる本予告映像&主題歌音源が解禁されました。

「菊入正宗14歳。大嫌いな佐上睦実の手によって導かれる。囚われの少女へと」と いう正宗のモノローグから始まり、一人の少年と二人の少女たちが出会ってしまった瞬間が切り取られています。そして、出口 も失い時まで止まった正宗たちが閉じ込められている町の遠景が映し出され、儚いくらいに美しい太陽の光に包まれた繊細な映像は、まさに〝時が止まっている〟 ことを感じさせる。無邪気に走り回り、パンをほおばる謎の少女・五実の姿に一瞬なごまされるが、映像は一転、「俺は!」「私たちは…意味ないのに!」と衝動的に叫びながら転がりまわる正宗と睦実の姿が映り、それを目撃していた五実の胸が張り裂けそうな「痛い・・・・・・」という絶叫が響き渡ります。 〝その少女の心には決して触れてはならない〟という、意味深な文字が映し出され、重なるように中島みゆきの歌声が鳴り 響きます。<綺麗で醜い嘘たちを 僕は此処で抱き留めながら ><僕は本当の僕へと 祈りのように叫ぶだろう><未来へ 未 来へ 未来へ 君だけで行(ゆ)け>という歌詞が、止められない衝動のように空を駆け巡り、地面に襲い掛かるすさまじい〝煙〟のうねりにかぶさり疾走感をあおっていきます。そして、閉じ込められ変化することを禁じられた世界に対して、このままでいいのか?と、その衝動のままに駆け出していく少年少女たちを鼓舞し、うねりのような力強さと、そして無数の光となって降り注ぎ、思わず息をのむような迫力が観るものの心に刺さります。

「届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりまし た。」と本作の物語に心を動かされ、初のアニメーション映画への楽曲を書き下ろした中島みゆき。「心音(しんおん)」と名 付けられた楽曲の歌詞には、<空は信じられるか 風は信じられるか><味方だろうか悪意だろうか 言葉を呑んだ><誰 も触れない 誰も問わない 時は進まない>などの言葉が並び、台本から紐解いたストーリーを描写するそれらの歌詞からは、中島の本作への強い思いが伝わってきます。 映像の最後には、消え入りそうな少女の声で「大嫌い・・・・・・」という一言が聞こえるが、誰に向けて放たれた言葉なのか、〝恋する衝動〟を武器に、少年少女たちは未来へと駆け抜けることはできるか、公開が待ちきれない映像になっています。 

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ひとしねま

ひとシネマ編集部

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