「シティーハンター」 © 2024 Netflix, Inc.

「シティーハンター」 © 2024 Netflix, Inc.

2024.5.31

配信チェック:「シティーハンター」 〝アプデ冴羽〟に引き込まれ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

根強い人気だ。かつて「週刊少年ジャンプ」やテレビアニメでヒットした作品が、舞台を昭和から現代に置き換え、ネットフリックス配信の実写映画でよみがえった。4月下旬の公開後、今なお同配信の視聴ランキング「今日の映画TOP10」の常連に。昭和にはなかったネット配信のオリジナル作品というのも「今」っぽい。

冴羽獠(鈴木亮平)は新宿・歌舞伎町を拠点に、裏社会のトラブル処理を請け負う超一流のスイーパー(始末屋)。街で異常な身体能力を持った男女が暴れ回る謎の事件が起こり、冴羽の相棒、槇村秀幸(安藤政信)はその男の一人に殺されてしまう。妹の香(森田望智)は冴羽に、兄の死の原因を突き止めてほしいと願うが……。

冴羽といえば、きれいな女性に目がなく、体のあちこちを触ろうとするなど、今なら「アウト!」と言われる存在。しかし、鈴木亮平版の冴羽は違う。いかがわしいDVDは大量に持っているが、現実の女性の前では(まあまあ)紳士的。敵との対決シーンでは超一流らしく、激しく、華麗に振る舞う。冴羽に「なりきる」というより、現代風にアップデートされた冴羽を体現し、視聴者を引き込む。俳優・鈴木のスゴさを感じた。

佐藤祐市監督。1時間44分。ネットフリックスで独占配信中。(屋)

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