「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」

「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」 © 2018 / ZAZI FILMS – MARS CINEMA – MARS FILMS – CHAPKA FILMS - FRANCE 3 CINEMA – C8 FILMS

2021.5.06

「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

高校時代に出会って結婚したラファエル(フランソワ・シビル)とオリヴィア(ジョセフィーヌ・ジャピ)。結婚10年目、ラファエルは小説家になる夢をかなえ、子供に人気のベストセラー作家に。オリヴィアはピアニストとしての成功を目指し、小さなピアノ教室を開いていた。二人の生活がすれ違い、ケンカした翌朝に不思議なことが起こる。ラファエルは中学教師でオリヴィアは人気ピアニスト、しかもオリヴィアはラファエルのことを知らなかった。

パラレルワールドを舞台にしたフランス製のロマンチック・ラブコメディー。立場が逆転した時に初めて相手の気持ちと大切さが切実に分かる。そんな普遍的な物語を、ラファエルが執筆しているSF小説の映像も交えて描き出した。ファンタジー的な仕掛けと、ラファエルをアシストする親友の現実的なキャラクターのバランスが絶妙で、〝もしも〟の世界へ自然に導いてくれるウエルメードな作品だ。ユーゴ・ジェラン監督。1時間58分。埼玉・MOVIXさいたま、奈良・シネマサンシャイン大和郡山ほか。(細)

ここに注目

舞台はパリ、作家とピアニストの物語なのに、二人の出会いやデート、会話、すれ違いはいい意味でありふれたもので、共感しやすい。展開も思った以上にシンプルで、きっと見る人それぞれが、過去のときめきや大切な人を思い出しながら素直に楽しめるラブストーリーだ。(久)

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