初めての女

公開日: 2024年06月21日

初めての女

原作は、志賀直哉に兄事し、芥川賞の選考委員を創設以来46 年間務めた俳人・小説家である瀧井孝作が晩年に執筆した私小説「俳人仲間」の一編である「初めての女」(日本文学大賞受賞作品)。孝作が生まれ育った飛騨高山を舞台に、若かりし日の孝作が経験した俳句仲間との青春、西洋料理屋の玉と三味線芸者の菊との初めての恋を通して青年が人間として成長していく様を描く。監督は元漁師という経歴を持ち、本作が劇場デビューとなる小平哲兵。主人公の瀧井孝作を演じるのは、「無頼」(2020年)や「君に幸あれよ」(23年)、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」(24年)など、出演作が続く髙橋雄祐。孝作が出会う西洋料理屋の玉役には、数多くの話題作に出演している芋生悠、芸者の菊役を三輪晴香が演じている。

明治末期、丁稚奉公に出され、窮屈な日々を過ごしていた瀧井孝作は、幼い頃に兄や母も亡くし、拠り所は俳句に没頭することだった。ある日孝作は、西洋料理屋の女中・玉と出会う。美しい年上の女性の魅力に惹かれていった孝作は、〝堤長き 並松月夜 涼み行く〟と、玉への気持ちを句にしたためる。玉との距離が縮まったと思っていた孝作だったが、次第に玉の言動や噂から不信が募っていた。そんな折、玉と訪れた店で三味線芸者の鶴昇(加藤菊)と出会う。鶴昇の端麗でどこか悲しげな姿に心奪われ、玉が孝作の元から去った後、鶴昇にのめり込み始める。今までにない感情に翻弄される孝作は、次第に俳句からも遠ざかってしまう。

©TRYDENT PICTURES 2024

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公式サイト: https://www.palomapro.com/hajimetenoonna

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