1966年6月に静岡県で味噌会社専務一家4人が殺害・放火された事件の犯人とされ、死刑囚として47年7ヶ月もの獄中生活を送り、2014年3月に釈放された袴田巖さんの「無罪判決」を求める戦いの軌跡を追ったドキュメンタリー。監督・撮影は、静岡放送で報道記者としてニュースやドキュメンタリー番組に携わり、20年以上にわたって姉の袴田秀子さんと親交を深め、プライベートでも撮影してきた笠井千晶。袴田巖さん釈放から10年の節目に、2024年9月26日の再審判決を見届け、劇場公開される。

2014年3月、死刑囚の袴田巖さんが突如釈放された。死刑囚が再審開始決定と同時に釈放されるという、驚くべき事態だった。着の身着のまま東京拘置所を後にした時、ワゴン車で助手席で笠井千晶監督のカメラが袴田さんの表情を捉えていた。死刑執行の恐怖の日々を生き抜いたが、司法との戦いはさらに続く。カメラは2人の生活を記録し、対話を重ね、袴田さんの心の内面に迫っていく。