原案は、沖縄県伊江島で2人の日本兵が終戦を知らずにガジュマル木の上に身を潜め、2年間生き延びたという実話から着想を得た作家・井上ひさしが遺したメモ。2013年に、こまつ座&ホリプロ公演として初演され、その後、「父と暮せば」「母と暮せば」と並ぶこまつ座の「戦後〝命〟の三部作」と位置付けられ、繰り返し上演されている作品の映画化。監督・脚本は、「ミラクルシティコザ」(2021年)を手がけた沖縄出身の平一紘。全編沖縄ロケ、伊江島では実際に生い茂るガジュマルの木の上で撮影がおこなわれた。ダブル主演は、宮崎から派兵された厳格な少尉を堤真一、沖縄出身の新兵を山田裕貴が演じている。
太平洋戦争末期、戦況が悪化の一途を辿る中、沖縄・伊江島に米軍が侵攻、激しい攻防戦で島は壊滅的な状況に陥っていた。宮崎から派兵された少尉・山下一雄(堤真一)と沖縄出身の新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は、敵の銃撃に追い詰められ、大きなガジュマルの木の上に身を潜める。仲間の死体は増え続け、圧倒的な戦力差の前に、援軍が来るまでその場で待機することに。戦闘経験が豊富で国家を背負う厳格な上官・山下と、島から出たことがなくどこか呑気な新兵・安慶名は、話が嚙み合わないながらも、二人きりでじっと恐怖と飢えを耐え忍んでいた。やがて戦争は日本の敗戦をもって終結するが、そのことを知る術もない二人の孤独な戦争は続いていく。
2025年6月13日(金)より沖縄先行公開。
公開日: 2025年07月24日
木の上の軍隊
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2025年 /日本
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公式サイト: https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/
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