やまだ たいち
1934年6月05日 生まれ
脚本家、小説家、原作:「異人たちとの夏」(新潮文庫刊)
ロンドンのマンションの高層階に住む脚本家のアダム(アンドリュー・スコット)は、幼少期を題材にしたシナリオのリサーチのため、かつて住んでいた実家を訪れる。そこには12歳の頃に事故で他界した父(ジェイミー・ベル)と母(クレア・フォイ)が、昔と変わらぬ姿で住んでいた。同じ頃、アダムは同じマンションに住む青年、ハリー(ポール・メスカル)と愛し合うようになる。 原作は1988年に大林宣彦監督が映画化した、山田太一の小説「異人たちとの夏」。大林版と同様、ホラー的な要素を効果的に入れながら、大きな相違点はアンドリュー・ヘイ監督が自身の経験を織り込み、主人公を同性愛者として描いたことだろう。大林監督が東京・...
2024.4.19
5年で日本を3000キロ縦断 東北の震災で家族を失ったジャーマンシェパード犬の多聞(たもん)は、離れ離れになった大切な人に会うため5年の歳月をかけて日本を3000キロ縦断する。その途中で出会った人々は多聞と過ごす時間のなかで心が癒やされ人生に希望を見いだしていく。人と人とをつなげながら旅する多聞はどこへ向かっているのか――。 「ラーゲリより愛を込めて」にもクロという犬が 瀬々敬久監督、林民夫脚本と言えば「ラーゲリより愛を込めて」が記憶に新しい。戦後10年、ラーゲリ(収容所)で強制的に働かされた日本人たち。この生活はいつまで続くのか、果たして祖国に帰れる日は来るのか……と希望を見い...
PR東宝
2025.3.10
山田太一のベストセラー小説「異人たちとの夏」(新潮社)を、現代のロンドンに舞台を移し、「さざなみ」(2015年)や「荒野にて」(17年)のアンドリュー・ヘイ監督が再映画化した。 ロンドンのタワーマンションで一人暮らしをしている脚本家アダムは、同じマンションの謎めいた住人、ハリーの訪問によって、ありふれた日常に変化が起きる。ハリーとの関係が深まるにつれて、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、30年前に死別した両親が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会だったが、固く閉ざしていた心が解きほぐされていくのを感じていた。しかし、その先には思いもしない世界が広がっていた。 東京国際...